美肌菌の秘密: 肌の健康と美しさを守る微生物の役割とは?

菌と言えば雑菌や感染性細菌のように悪者のイメージが強いですが、皮膚に住んでいる常在菌は、様々な役割を持っています。
その内、今回はその名も「美肌菌」と呼ばれる善玉菌たちについて詳しく解説したいと思います。
肌の健康や美しさに良い影響を与える美肌菌を育てて、是非スキンケアに役立てていきましょう。

1.美肌菌とは何か?

皮膚には、さまざまな種類の微生物が住んでいます。これらの微生物は、皮膚常在菌と呼ばれ、肌の表面に薄い膜を作っています。

皮膚常在菌には、善玉菌と悪玉菌があります。

善玉菌は、肌のうるおいや弱酸性を保ち、バリア機能を強化し、悪玉菌や外部からの刺激から肌を守る働きがあります。

悪玉菌は、肌荒れやニキビなどのトラブルを引き起こす原因になります。

美肌菌とは、善玉菌の中でも特に美肌に関係する菌のことを指します。

代表的な美肌菌には、以下の3種類があります。

  • 表皮ブドウ球菌: 皮脂や汗を分解してグリセリンや脂肪酸を生成し、肌のうるおいや弱酸性を保ちます。また、抗菌ペプチドという物質を作って悪玉菌や雑菌の繁殖を防ぎます。
  • 黄色ブドウ球菌: 表皮ブドウ球菌と同じく皮脂や汗を分解しますが、生成する脂肪酸は表皮ブドウ球菌よりも強力で、より高い抗菌効果があります。しかし、過剰に増えると炎症を引き起こすこともあります。
  • アクネ菌: 皮脂を分解して遊離脂肪酸を生成し、毛穴に詰まった皮脂栓を溶かしてくれます。また、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌と共生してバランスを保ちます。しかし、過剰に増えるとニキビの原因になります。

これらの美肌菌は、互いに競争しながらも協力して肌の環境を整えてくれます。

しかし、そのバランスが崩れると、悪玉菌が優勢になったり、美肌菌自体がトラブルを引き起こしたりすることがあります。

そのため、美肌作りには美肌菌のバランスを保つことが重要です。

2.美肌菌が肌に与える影響は?

美肌菌が肌に与える影響は大きく分けて2つあります。

一つ目は、角層内で水分や栄養素を保持することでうるおい感やハリ・弾力を与えることです。

二つ目は、角層表面で外部からの刺激や乾燥を防ぐことでバリア機能を強化することです。

これらの影響によって、肌は健康的で美しい状態を保つことができます。

うるおい感やハリ・弾力を与える

美肌菌は、皮脂や汗を分解してグリセリンや脂肪酸などの水分保持成分を生成します。

これらの成分は、角層の細胞間に存在する天然保湿因子(NMF)と呼ばれる物質と結合して、水分や栄養素を角層内に閉じ込めます。

これによって、角層はふっくらとした状態になり、肌にうるおい感やハリ・弾力を与えます。

また、美肌菌は、肌の表面に弱酸性の膜を作ってpHを約5.5に保ちます。

このpHは、肌のターンオーバーが正常に行われるために最適な値です。

ターンオーバーとは、古くなった角層細胞が剥がれ落ちて新しい細胞が生まれるサイクルのことで、通常は約28日かかります。

ターンオーバーが正常に行われると、肌は新陳代謝が活発になり、透明感やツヤが出ます。

バリア機能を強化する

美肌菌は、抗菌ペプチドや脂肪酸などの物質を生成して、悪玉菌や雑菌の繁殖を防ぎます。

これによって、肌はニキビや炎症などのトラブルから守られます。

また、美肌菌は、外部からの刺激や乾燥から肌を守るバリア機能を自ら強化します。

バリア機能とは、角層表面に存在する皮脂膜や角質層と呼ばれる物質のことで、水分の蒸発を防いだり、紫外線や化学物質などの侵入を防いだりします。

美肌菌は、皮脂膜や角質層の成分を補充したり、結合力を高めたりしてバリア機能を強化します。

例えば、表皮ブドウ球菌は、セラミドという角質層の主要成分を生成したり、フィラグリンという角層細胞同士をつなぐタンパク質の産生を促進したりします。

これによって、角質層は密度が高くなり、水分の蒸発や外部からの刺激の侵入を防ぎます。

3.美肌菌のバランスを崩す原因と対策は?

美肌菌のバランスは、さまざまな要因で崩れることがあります。

その中でも代表的なものは以下の通りです。

  • ストレス: ストレスがかかるとホルモンバランスが乱れて皮脂分泌が増えたり減ったりします。これによって美肌菌のバランスも変化し、ニキビや敏感肌などのトラブルが起こりやすくなります。
  • 紫外線: 紫外線は肌にダメージを与えるだけでなく、美肌菌のバランスにも影響します。紫外線によって肌のpHが上昇し、弱酸性を保つ美肌菌が減少し、アルカリ性を好む悪玉菌が増加します。これによって、肌は乾燥や炎症を起こしやすくなります。
  • 洗顔: 洗顔は肌の汚れや余分な皮脂を落とすために必要ですが、やりすぎると美肌菌も一緒に洗い流してしまいます。特に、強い洗浄力や高いpHの洗顔料は美肌菌にとって不利な環境を作ります。これによって、肌は乾燥や敏感化を起こしやすくなります。
  • 食生活: 食生活は美肌菌のバランスにも影響します。特に、糖質や脂質の多い食事は皮脂分泌を増やし、悪玉菌のエサになります。また、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足すると、美肌菌の働きが低下します。これによって、肌はニキビやくすみなどのトラブルを起こしやすくなります。

これらの原因を避けるためには、以下の対策を行うことがおすすめです。

  • ストレス: ストレスを溜めないようにリラックスする時間を作りましょう。適度な運動や睡眠、趣味などで気分転換することが大切です。また、ストレスホルモンの分泌を抑える効果があると言われるラベンダーやカモミールなどのアロマテラピーも試してみてください。
  • 紫外線: 紫外線は一年中降り注いでいますので、日焼け止めを忘れずに塗りましょう。また、帽子や日傘などで直接的な紫外線を遮ることも効果的です。さらに、紫外線から肌を守る抗酸化作用があると言われるビタミンCやEなどのサプリメントも摂取してみてください。
  • 洗顔: 洗顔は朝晩1回ずつ行うのが理想です。洗顔料は弱酸性で低刺激のものを選びましょう。また、洗顔後は化粧水や乳液などで保湿することで美肌菌のバランスを整えましょう。
  • 食生活: 食生活はバランスよく摂ることが大切です。特に、美肌菌の成長に必要な乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が含まれるヨーグルトやチーズなどの発酵食品を積極的に摂りましょう。また、野菜や果物などの食物繊維も善玉菌のエサになります。

4.美肌菌に着目したスキンケア商品の効果は?

美肌菌のバランスを保つためには、スキンケア商品も重要な役割を果たします。

美肌菌に着目したスキンケア商品には、以下のような特徴があります。

  • 美肌菌の働きや成長を助ける成分を含む: 例えば、乳酸菌やビフィズス菌などの生きた善玉菌を配合したプロバイオティクス製品や、善玉菌の代謝物である乳酸や酢酸などの有機酸を配合したポストバイオティクス製品などがあります。これらの成分は、美肌菌のバランスを整えるだけでなく、肌のうるおいや弱酸性、バリア機能などにも良い影響を与えます。
  • 美肌菌のバランスを崩さない成分を含まない: 例えば、アルコールや合成香料などの刺激物や、パラベンやフェノキシエタノールなどの防腐剤などがあります。これらの成分は、美肌菌にとって不利な環境を作ったり、美肌菌自体を殺菌したりすることがあります。そのため、美肌菌に着目したスキンケア商品は、これらの成分を含まないか、極力少ない量に抑えることが望ましいです。

ケア商品の効果は、個人差がありますので、自分の肌質や肌状態に合わせて選ぶことが大切です。

また、美肌菌に着目したスキンケア商品だけでなく、日常の生活習慣や食生活なども美肌菌のバランスに影響しますので、トータル的に見直すことがおすすめです。

5.美肌菌を増やすための生活習慣とは?

美肌菌を増やすためには、以下のような生活習慣が必要です。

  • 適度な運動をする: 運動は汗をかくことで美肌菌のエサになる皮脂や汗を分泌し、美肌菌の増殖を促進します。また、運動は血行を良くして肌の新陳代謝を高める効果もあります。ただし、過度な運動は逆にストレスになるので注意しましょう。寝る前に軽めの運動をすると、睡眠中に美肌菌が活発に働くと言われています。
  • 熱いお湯や長風呂を避ける: 熱いお湯や長風呂は肌がふやけてバリア機能が低下し、美肌菌も流れ出してしまいます。そのため、お湯の温度は40度以下にし、入浴時間は30分以内にすることがおすすめです。
  • 洗顔は優しく行う: 洗顔は肌の汚れや余分な皮脂を落とすために必要ですが、やりすぎると美肌菌も一緒に洗い流してしまいます。特に、強い洗浄力や高いpHの洗顔料は美肌菌にとって不利な環境を作ります。そのため、洗顔は朝晩1回ずつ行い、洗顔料は弱酸性で低刺激のものを選びましょう。
  • 保湿をしっかり行う: 保湿は肌の水分量を保ち、バリア機能を強化することで美肌菌のバランスを整えます。保湿する際は、化粧水や乳液などで角層内に水分を与えるだけでなく、クリームやオイルなどで角層表面に水分を閉じ込めることも大切です。また、保湿製品は防腐剤や香料などの刺激物が少ないものを選ぶことが望ましいです。
  • 食生活を見直す: 食生活は美肌菌のバランスにも影響します。特に、糖質や脂質の多い食事は皮脂分泌を増やし、悪玉菌のエサになります。また、ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足すると、美肌菌の働きが低下します。そのため、バランスよく摂ることが大切です。特に、美肌菌の成長に必要な乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が含まれるヨーグルトやチーズなどの発酵食品を積極的に摂りましょう。

6.美肌菌とアトピー性皮膚炎の関わりとは?

美肌菌のバランスを保つことがアトピー性皮膚炎の予防や治療にも重要な要素となる可能性があります。

アトピー性皮膚炎には肌トラブルに多くの悩みを抱えるため、これらの改善に繋がるよう、特にアトピー性皮膚炎との関わりについてもご紹介したいと思います。

美肌菌とアトピー性皮膚炎の関係については、様々な研究や見解がありますが、一般的には以下のようなことが言われています。

  • 美肌菌とは、肌に常在する細菌のうち、肌の健康や美しさに良い影響を与えるものを指します。例えば、表皮ブドウ球菌は、肌の水分量や弱酸性を保ち、炎症を抑える効果があると言われています。
  • アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリア機能が低下し、かゆみを伴う湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す病気です。遺伝やアレルギーを起こしやすい体質などが発症に関与していると考えられています。
  • アトピー性皮膚炎の患者さんでは、皮膚のバリア機能が低下することで、美肌菌も減少し、悪玉菌が増加することが報告されています3。特に、黄色ブドウ球菌はアトピー性皮膚炎の増悪因子の一つであり、湿疹を悪化させる可能性があります3 。
  • 一方で、美肌菌のバランスを整えることで、アトピー性皮膚炎の改善につながる可能性も示唆されています。例えば、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスや、それらの代謝物である乳酸や酢酸などのポストバイオティクスを含むスキンケア商品が、肌の水分量やキメを改善する効果があると報告されています。

美肌菌は肌の健康と美しさを守る微生物ですが、アトピー性皮膚炎ではそのバランスが崩れてしまうことがあります。

美肌菌とアトピー性皮膚炎の関係については、現在様々な研究や見解がある中で、いくつかの可能性や仮説が提唱されていますので、ご紹介します。

  • 美肌菌とは、肌に常在する細菌のうち、肌の健康や美しさに良い影響を与えるものを指します。例えば、表皮ブドウ球菌は、肌の水分量や弱酸性を保ち、炎症を抑える効果があると言われています。
  • アトピー性皮膚炎とは、皮膚のバリア機能が低下し、かゆみを伴う湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す病気です。遺伝やアレルギーを起こしやすい体質などが発症に関与していると考えられています。
  • アトピー性皮膚炎の患者さんでは、皮膚のバリア機能が低下することで、美肌菌も減少し、悪玉菌が増加することが報告されています。特に、黄色ブドウ球菌はアトピー性皮膚炎の増悪因子の一つであり、湿疹を悪化させる可能性があります 。
  • 一方で、美肌菌のバランスを整えることで、アトピー性皮膚炎の改善につながる可能性も示唆されています。例えば、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスや、それらの代謝物である乳酸や酢酸などのポストバイオティクスを含むスキンケア商品が、肌の水分量やキメを改善する効果があると報告されています。
  • また、生活習慣や食生活も美肌菌のバランスに影響します。特に、適度な運動や睡眠、発酵食品や食物繊維の摂取などが美肌菌の増殖に有利な条件とされています。

以上が、美肌菌とアトピー性皮膚炎の関係についての一部です。

美肌菌は肌の健康と美しさを守る微生物ですが、アトピー性皮膚炎ではそのバランスが崩れてしまうことがあります。

そのため、美肌菌のバランスを保つことがアトピー性皮膚炎の予防や治療にも重要な要素となる可能性があります。

もっと詳しく知りたい場合は、以下のリンクを参考にしてみてください。

7.まとめ

以上のように、美肌菌とは、肌に住む微生物のうち、肌の健康や美しさに良い影響を与えるものを指します。

美肌菌は、肌の水分や弱酸性を保ち、バリア機能を強化し、悪玉菌や外部からの刺激から肌を守る働きがあります。

しかし、美肌菌のバランスは、ストレスや紫外線、洗顔や食生活などで崩れることがあります。

そのため、美肌菌のバランスを保つことが美肌作りには重要です。

美肌菌のバランスを保つためには、適度な運動や睡眠、発酵食品や食物繊維の摂取などの生活習慣の見直しや、乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスやポストバイオティクスを含むスキンケア商品の使用などがおすすめです。

美肌菌は、肌の健康と美しさを守る微生物の役割を果たしています。

美肌作りには美肌菌のバランスを保つことが重要ですので、ぜひ参考にしてみてください。