ワキガに悩む女性必見!ワキガのメカニズムと対処法を徹底解説
ワキガという名称は、腋(ワキ)の下(ガ)で発生するニオイであることに由来し、医学的には「腋臭症」や「アポクリン臭汗症」と呼ばれています。
この記事では、ワキガの原因とメカニズム、セルフチェック方法、日常生活でできること、病院での治療法などを詳しくご紹介します。
もくじ
ワキガとは
ワキガは、腋(わき)から特有の強いニオイを発する症状です。
ワキガには遺伝的な要因が大きく関係しており、日本人では約10人に1人がワキガと言われています。
ワキガは男性だけの問題ではなく、女性も悩んでいる方が多いのです。
ワキガはどうして起こるのでしょうか?
また、ワキガの予防法や対処法はあるのでしょうか?
この記事では、ワキガの原因とメカニズム、セルフチェック方法、日常生活でできること、病院での治療法などを詳しくご紹介します。
ワキガの原因とメカニズムを知ろう
ワキガという名称は、腋(ワキ)の下(ガ)で発生するニオイであることに由来し、医学的には「腋臭症」や「アポクリン臭汗症」と呼ばれています。
ワキガは決して珍しい症状ではなく、遺伝的な体質によって発症する可能性が高くなります。
私たちの体には、汗を分泌する組織「汗腺」があります。
この汗腺には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2つの種類があり、このうちアポクリン汗腺から分泌される汗がワキガの主な原因です。
エクリン汗腺は全身の表皮に見られ、水と微量の塩分が主成分のサラサラとした汗を分泌します。
この汗は体温調節や老廃物排出の役割を果たしますが、ほとんどニオイはありません。
一方、アポクリン汗腺は腋や乳首、陰部など特定の部位の毛包内に存在し、タンパク質や脂質など有機物が多く含まれるベタベタとした汗を分泌します。
この汗自体にもニオイがありますが、さらに腋に存在する常在菌によって分解されることで、強いニオイを発生させます。
アポクリン汗腺は思春期以降に発達するため、ワキガの症状も思春期以降から現れます。
また、アポクリン汗腺は毛包内にあるため、毛量が多いほどニオイも強くなります。
ワキガかどうか自分でチェック!簡単なセルフチェック方法
自分がワキガかどうか判断するのは難しいものです。
自分では気づかなくても周囲から指摘されたり、逆に自己臭妄想に陥ってしまったりすることもあります。
そこで、簡単にできるセルフチェックの方法をご紹介します。
– 耳垢が湿っており、かつ耳毛が多く生えている
外耳道にはエクリン汗腺が存在しません。
つまり、耳垢に湿り気があるのは、アポクリン汗腺から分泌された汗による可能性が高いと考えられます。
外耳道にアポクリン汗腺がある場合、腋の下にも多くのアポクリン汗腺があることがほとんどです。
また、アポクリン汗腺は毛包の中にあるため、耳垢が湿っていてかつ外耳道に毛が多ければ、ワキガであると考えて間違いないでしょう。
– 下着やTシャツなど、腋に触れる衣類に色がつく
ワキガでない人の腋汗の色は透明です。
これは、エクリン汗腺から分泌された汗は水と微量の塩分が主成分であるためです。
一方、ワキガの人の腋にはアポクリン汗腺が多くあり、アポクリン汗が大量に分泌されます。
アポクリン汗はタンパク質や脂質、糖質、鉄分などさまざまな物質を含み、これが腋に触れる衣類に黄ばみを残します。
– 肉類などの高カロリー&高脂肪な食品をよく食べる
肉をはじめとした高カロリー&高脂肪な食品を必要以上に摂取すると、皮下脂肪がつきやすくなります。
そしてその脂肪が、アポクリン汗腺および皮脂腺の活動を促し、結果的にワキガを引き起こすのです。
日本人に比べて欧米人にワキガが多いのは、こうした食生活が深く影響していると考えられています。
– 家族など周りの人から腋のニオイを指摘されたことがある
周囲の人から腋のニオイを指摘されるかどうかは、ワキガかどうかを判断する上でとても重要なポイントです。
ニオイはデリケートな問題で、他人にはなかなか伝えづらいため、家族など近しい人に聞いてみるといいでしょう。
実は、「自分はワキガだ」と思って病院を受診したものの、ニオイに敏感になりすぎている自己臭妄想(恐怖症)であるケースも多く見られます。
この他に、身内にワキガの人がいたり、体毛が濃かったりする場合も、ワキガである可能性が高くなります。
上記のチェックに当てはまり、腋のニオイが気になる場合は、一度皮膚科に相談してみるとよいかもしれません。
ワキガ検査キットでより詳しい分析結果を知る
セルフチェックではどうしても主観的な判断になってしまって不安。
本当はどのくらいニオイがあるのか疑心暗鬼になってしまう。
そんな場合には、より客観的な評価結果を知ることができる体臭評価キットも販売されています。
ワキガ検査キット odorateAP
こちらの評価キットは体臭評価サービスを展開する株式会社オドレートから提供されています。
検査サービスでは、送られてきたTシャツを1日着て返送するだけで分析結果を知ることができます。
(↓ 株式会社オドレート | odorate公式サイトより)
もし脇だけでなく他の部位からのニオイ、たとえば首筋や胸元なども気になる場合は、より広範囲に上半身全体を検査できるキットもあります。
体臭検査キット odorate
ワキガ専用のodorateAPと上半身全体のodorateの違いをイラストでまとめるとこんな感じです(画像引用 オドレート公式サイトより)。
どちらの詳細なレポートで客観的な結果を知ることができますが、ご自身の体質や用途によって参考にしてみてください。
ワキガの予防法と対策法 日常生活でできることは?
ワキガは遺伝的な要因もあるので、予防だけで完全にニオイを抑えられないケースもありますが、以下のような方法でニオイの程度を抑制することはできます。
– 食生活の改善
肉をはじめとした高カロリー、高脂肪食の食品はワキガの原因になる可能性があります。
牛乳やバターなど、乳脂肪分が豊富に含まれるものも該当します。
できれば同じたんぱく質でも大豆製品や魚を中心にした食生活を心がけましょう。
– 飲酒や喫煙を控える
アルコールやニコチンには、汗腺を刺激する作用があります。
摂取するとアポクリン汗腺の働きが活発になるので、控えた方がよいでしょう。
また、アルコールやニコチン自体が強いニオイ成分でもあるので、ワキガ体質でなくとも、体臭がきつくなる原因になります。
– ニオイがこもりやすい化学繊維の衣類を避ける
化学繊維の衣類は、通気性が悪く、汗やニオイがこもりやすいです。
また、化学繊維自体にもニオイがある場合があります。
そこで、綿や麻など天然素材の衣類を着ることで、ニオイを軽減することができます。
– こまめにシャワーを浴びる
ワキガの原因はアポクリン汗腺から分泌される汗にあるため、汗の成分が常在細菌によって分解される前にこまめにふき取ることで、ワキガのニオイを抑えることが可能です。
特に暑い日や運動後などは、シャワーを浴びて清潔にしましょう。
– 除毛する
アポクリン汗腺は毛包内にあるため、毛量が多いほどニオイも強くなります。
また、毛は汗や皮脂、細菌などを吸着しやすく、ニオイの発生源となります。
そこで、腋毛を剃ったり抜いたりして除毛することで、ニオイを軽減することができます。
– アルコール綿で拭く
市販されているアルコール綿や消毒用エタノールで腋を拭くと、細菌を除去し、殺菌効果も期待できます。
ただし、肌が弱い人には向いていない場合もあるので注意してください。
一度拭くと効果は約12時間持続すると言われています。
– 制汗剤やデオドラント剤を使う
制汗剤やデオドラント剤は、汗の量を抑えたり、ニオイ成分を中和したりする効果があります。
市販されているものでも十分効果的ですが、より強力なものを希望する場合は、皮膚科で処方される塩化アルミニウム液(自費診療)もあります。
ただし、制汗剤やデオドラント剤は汗をかいた後では効果がありません。
必ず清潔な状態で使用しましょう。
ワキガの治療法 塗り薬や手術などの選択肢
日常生活でできる対策をしても、ワキガのニオイが気になる場合は、病院での治療を検討することもできます。
ワキガの治療法には、塗り薬や手術などがあります。
– 塗り薬
塗り薬としては、塩化アルミニウム液が有効です。
塩化アルミニウム液は、汗腺の出口をふさぐことで汗の分泌を抑える効果があります。
ただし、塩化アルミニウム液は保険適用外となるため、自費負担である点に注意してください。
また、肌に刺激を与える可能性もあるので、使用前には必ずパッチテストを行ってください。
– 手術
手術としては、アポクリン汗腺を切除する「皮弁法」という手術があります。
この手術は保険が適用され、日帰りで行うことができます。
手術の内容は以下のとおりです。
1. 手術当日
– 手術が終わったら、処方される内服薬(抗生剤、鎮痛剤)を飲みます。
2. 手術翌日
– 通院します。医師が傷の状態や痛み、腫れを確認し、血抜き用の管を取ります。
– 傷に問題がなければ、コルセットで1週間固定し続けます。
3. 手術から3日後
– 痛みや腫れの悪化を防ぐため、この日までは飲酒や運動、入浴を控えましょう。
4. 手術から7日後
– 通院します。傷口を圧迫していたガーゼを取ります。
– 以後はコルセットを外しても構いませんが、腕を上げるなどの動作は控えましょう。
– この日からシャワーで洗えるようになります。優しくすすぎ、処方された塗り薬をつけたらガーゼで患部を保護しましょう。
5. 手術から14日後
– 通院します。抜糸して傷の状態を確認し、問題がなければ通院が終わります。
手術に伴って次のような症状が現れることがあります。
感染症などの可能性もあるので、症状が現れたら早めに医師へ相談しましょう。
- 痛みが続く
- 傷口が開く
- 傷口の周りの皮膚が壊死する
- 患部に血だまりができる
「においが気になるので治療を考えている」という人は、お近くの皮膚科または形成外科を受診してください。
手術でアポクリン汗腺の切除を希望する人も、まずは診察が必要なので医師に相談してみましょう。
まとめ ワキガに悩まないために
ワキガは遺伝的な体質によって発症する可能性が高い症状ですが、日常生活でできる対策や病院での治療法もあります。
まずはワキガは自分では気づきにくいこともあるので、周囲の人から指摘されたり、自分でチェックしたりしてみましょう。
簡易的なセルフチェックのほか、より客観的なワキガ検査キットの使用もオススメです。
対策としては、除毛や制汗剤などの予防的な方法から、アルコールで拭くことで汚れを拭き取りつつ悪臭のもとになっている最近を除去する方法、また医療機関でより根本的な施術を行う方法などがあります。
ワキガに悩んでいる方は、この記事を参考にして、ニオイを抑える方法を試してみてください。