膣内フローラと正しい膣洗浄の方法

実は膣内にも、腸内と同じように、細菌の集団がフローラを形成していて、これを膣内フローラと呼びます。
膣内フローラは女性の健康に大切な役割を果たしていますから、過度な膣洗浄で崩さないように気を付けましょう。

こんにちは、女性の健康に関する情報を発信しているFadia Lab.です。

今回は、膣内フローラと正しい膣洗浄の方法についてお話ししたいと思います。

デリケートゾーンのにおいや乾燥、妊活にお悩みの方はご参考にしてみてください。

膣内フローラとは?膣内フローラと子宮内フローラの関係

実は膣内にも、腸内と同じように、細菌の集団がフローラを形成していて、これを膣内フローラと呼びます。

腸内フローラと同じように、お花畑のように色々な種類の細菌が共生しています。

その中でも、特に多く存在するのが乳酸桿菌(ラクトバチルス属)という乳酸菌です。

この善玉菌たちが膣内環境を弱酸性に保ち、外部からの雑菌やカンジダなどの増殖を抑える働きをします。

これを膣の自浄作用と呼びます。

膣内フローラは、女性ホルモンやストレス、生活習慣などに影響されます。

膣内フローラが乱れると、細菌性膣症やカンジダ症などの膣炎や、HIVや子宮頸癌などの感染症のリスクが高まります。

このように膣内フローラは性器の免疫に重要な役割を持っていますが、膣は子宮にも繋がっていますので、実は子宮にも細菌たちの軍団は続いています。

この子宮内の細菌叢は子宮内フローラと呼ばれ、精子の着床や胎児の健康にも重要な役割を持っています。

このため、子宮内フローラは不妊治療で近年注目されてきています。

膣内フローラを整えることは子宮内フローラを整えることにもなり、子宮や卵巣などの女性器や妊娠中の母体にも広く健康に寄与しています。

正常な膣内フローラとはどんな状態?

正常な膣内フローラは、乳酸桿菌(ラクトバチルス)と呼ばれる善玉菌が優勢であることが望ましいです。

健康な女性の膣内フローラでは、乳酸桿菌が75%~95%を占めると言われています。

乳酸桿菌は、膣内の分泌物に含まれる糖を分解して乳酸を産生し、膣内pHを3.8~5.0の範囲に保ちます。

これにより、膣内環境は弱酸性になり、外部からの雑菌やカンジダなどの増殖を抑えます。

また、乳酸桿菌は、細菌やウイルスなどの感染を防ぐことにも重要な役割があります。

水素過酸化物やバクテリオシンなどの抗菌物質を産生し、さらに免疫系にも影響を与え、免疫細胞の活性化や抗体産生を促進します。

この働きによって、外部から感染性の異物が侵入しても、抗菌物質のバリアや細胞の免疫活性化によって排除されるため、感染症の防御にとても大事な役割をしています。

異常な膣内フローラとはどんな状態?

異常な膣内フローラは、乳酸桿菌が減少し、他の細菌が増加することで起こります。

これにより、膣内pHが上昇し、膣内環境はアルカリ性に傾きます。

これに伴って、外部からの雑菌やカンジダなどが増殖しやすくなります。

異常な膣内フローラは、細菌性膣症やカンジダ症などの膣炎を引き起こす可能性があります。

これらの膣炎は、かゆみやおりものの変化、臭いなどの不快な症状の原因となります。

また、感染症のリスクも高まります。例えば、

  • 細菌性膣症は、HIVやクラミジアなどの性感染症の感染率を高めます。
  • カンジダ症は、性交時に痛みや出血を引き起こし、性生活に支障をきたします。
  • 妊娠中に膣炎を起こすと、子宮内フローラにも悪化を招き、早産や子宮内感染などの妊娠合併症のリスクが高まります。

このため、膣内フローラを健康に保つことはとても大事です。

膣内フローラに異常が起きてしまう原因とは?

膣内フローラ異常の原因は、さまざまですが、代表的なものには以下のようなものがあります。

  • 女性ホルモンの変動

月経や妊娠、閉経などで女性ホルモンが変動すると、膣内フローラにも影響します。

特に、女性ホルモンが低下すると、乳酸桿菌が減少しやすくなります。

  • 抗生物質の使用

抗生物質は、感染症を治療するために使われますが、同時に膣内フローラも殺菌してしまいます。

これにより、乳酸桿菌が減少し、カンジダなどの増殖を許してしまいます。

  • ストレス

ストレスは、免疫系や自律神経系に影響を与えます。

これにより、膣内フローラのバランスが崩れやすくなります。

また、ストレスは、食欲や睡眠などの生活習慣にも悪影響を及ぼします。

  • 生活習慣

食事や運動などの生活習慣は、膣内フローラにも関係します。

例えば、糖分や油分の多い食事は、カンジダのエサになります。

また、運動不足は、血行不良や免疫低下を招きます。

  • 性交渉の衛生環境

性交渉の衛生環境は、膣内フローラに大きく影響を与えます。

特に、セックスパートナーが多い場合や衛生的でない性交渉では、性感染症のリスクが高まります。

また、精液はアルカリ性で膣内pHを上昇させるため、コンドームを使用しない頻繁な性交渉は膣内の弱酸性を崩してしまう可能性があります。

コンドームの使用は不妊だけでなく、意外と膣内環境の健康にも大事です。

膣の洗い方が膣内フローラを悪化させる!

膣洗浄とは、水や洗浄液、洗剤などを使って、膣内を清潔にすることです。

でも間違った膣洗浄は逆効果です。

特にボディソープで膣内を洗っている方、実は注意が必要です。

なぜなら、

  • 一般的なボディソープはデリケートな膣内フローラにとっては強すぎ、刺激やアレルギーを起こす可能性がある。
  • 膣洗浄時に力を入れると細菌が子宮や卵管に進入する恐れがある。
  • 過度な摩擦によって粘膜が傷付いてしまい、細胞と共に膣内フローラが剥がれてしまう。

以上のような理由で、間違った膣洗浄は膣内フローラを破壊し、膣内環境を乱すことになってしまいます。

良かれと思ってよく泡を付けて洗ったことが、逆に感染症やニオイなどのトラブルを引き起こす原因になってしまうのです。

膣は粘膜もフローラもデリケートな部分ですので、洗い方、特に「洗いすぎ」「こすりすぎ」には注意しましょう。

膣内フローラを改善するための膣の洗い方

では、膣内フローラを改善するためには、どのように膣洗浄すればいいのでしょうか?

基本的には、以下のポイントに注意してください。

  • 膣洗浄は必要以上に行わない。月経後や性交後など、必要な時だけ行う。
  • 水かぬるま湯で軽く洗うか、膣内専用品を使う。細菌たちは熱に弱いため、熱すぎるお湯は避けましょう。

ボディソープは禁物です!

膣内にとっては刺激が強すぎるため、膣内フローラに大ダメージになってしまいます。

膣内専用品も後でご紹介していますので、参考にしてみてください。

  • 膣洗浄時は力を入れずに優しく行う。

強く押し込むと、膣内フローラのバリアで押しとどめられていた雑菌たちが、子宮や卵管に進入して子宮内フローラを崩してしまう恐れがある。

また、膣内フローラをサポートするためには、以下のこともおすすめします。

  • 乳酸菌やラクトフェリンを含んだサプリメントや食品を摂取する。

これらは膣内フローラのバランスを整える効果が期待されています。

  • 規則正しい生活を送る。

食事や運動などの生活習慣は、膣内フローラにも関係します。特に、糖分や油分の多い食事は避けましょう。

  • ストレスを溜めない。

ストレスは免疫系や自律神経系に影響を与えます。

これにより、膣内フローラのバランスが崩れやすくなります。

心地よく毎日を過ごせるリラックス方法を見つけましょう。

  • 性交時にコンドームを使う。

コンドームは性感染症の予防だけでなく、精液のアルカリ性によって膣内の酸性バランスが崩れてしまう影響も防ぐことができます。

清潔な場所を心がけるなど、衛生環境にも心掛けましょう。

膣内専用の洗浄液とは?

膣内を洗う時は、熱いお湯を避けて、水か少し冷たいくらいのぬるま湯で大丈夫です。

ただ、そうは言ってもデリケートな部分なので、汚れが気になったり、一時的にケアが必要になって、もっと洗いたい状況はどうしても出てしまうというもの。

そんな時には、膣内専用の洗浄液が便利です。

日常的に膣内フローラを健康に保ちたい方にもオススメです。

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乳酸配合ジェルを腟へ注入し、腟内環境改善をサポート!ニオイ・おりものを軽減します。

一般的な水タイプの洗浄器とは違い、少量のジェルを注入するだけなので、周りが汚れる心配がありません。

(1) 水の勢いで汚れを洗い流す従来の洗浄器とは違い、乳酸配合ジェルを注入し長くとどめ、腟内環境改善をサポートする商品です。

(2) 個別包装・使い切りタイプ 容器は1本ずつ個別包装されているので、衛生的にお使いいただけます。

(3) 体にやさしい成分 お薬ではないので、副作用の心配がありません。

お風呂場以外の場所でも気軽にお使いいただけます。

おりものが多い時や生理の終わりかけなどニオイが気になる時にインクリアをお試しください。

まとめ

この記事では、膣内フローラと子宮内フローラの役割、健康に保つためのコツなどをご紹介しました。

以下ダイジェストです。

  • 膣内フローラとは、膣内に住む細菌の集団で、特に乳酸桿菌(ラクトバチルス属)が多く存在する。
  • 乳酸桿菌は、膣内の分泌物に含まれる糖を分解して乳酸を産生し、膣内環境を弱酸性に保つ。これにより、外部からの雑菌やカンジダなどの増殖を抑える働きをする。これを膣の自浄作用と呼ぶ。
  • 膣内フローラは、女性ホルモンやストレス、生活習慣などに影響される。
  • 膣内フローラが乱れると、細菌性膣症やカンジダ症などの膣炎や感染症の原因となる。
  • 子宮内フローラとは、子宮内の細菌の集団で、受精卵の着床や胎児の発育に重要な役割を持ち、不妊治療で近年注目され始めている。
  • 子宮内フローラは膣内フローラから続いている細菌の集団のため、膣内フローラを守ることは子宮内フローラを守ることになる。
  • 膣内フローラは過度な洗浄によりバランスが崩れやすいため、過度な洗浄は禁物。ボディソープではなくぬるま湯のみか、膣内専用の製品がおすすめ。

以上が、膣内フローラと正しい膣洗浄の方法についての情報です。

膣内フローラは女性の健康に大切な役割を果たしていますから、過度な膣洗浄で崩さないように気を付けましょう。

膣内フローラをサポートするためには、乳酸菌やラクトフェリンを摂取したり、規則正しい生活を送ったり、ストレスを溜めないようにすることも大切です。

皆さんの参考になれば幸いです。

次回も女性の健康に関する情報をお届けします。

それでは、また!